名前は似てる、でも全然違う「遺品整理」と「遺産整理」
当社で請け負っている「遺品整理」とよく似たキーワードがあります。
それが、「遺産整理」です。
一文字違いの言葉ですが、担当も内容も異なります。
それぞれについて説明します。
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遺品整理とは?
- 思い出の品と不用品を仕分ける
- 不用品を処分する
- 処分した後をキレイにする
これが遺品整理の主な流れです。つまり、“故人の家や部屋を整理して、思い出の品を探し出し、且つ、家や部屋の機能を回復する”お仕事です。
お客様の希望により、物品の買取や建物の処分、特殊清掃などを行うこともありますが、それらはオプション的なもので上記がメインとなります。
遺産整理とは?
- 相続人を確認する
- 財産(遺産)目録を作成する(遺産を調査する)
- 遺産分割協議書を作成する(協議を取り仕切る)
- 登記の変更などを行い、遺産をそれぞれ分配する
- 相続税の納付を行う
上記を見ていただくとわかるように、遺産整理とは“遺産がどれぐらいあって、どう分割するか”をサポートするお仕事です。
まとめると、物理的な作業を行うのが遺品整理、整理されたものを法的に整理するのが遺産整理と考えていいと思います。
作業が全く違うため、担当する人間や企業も異なります。
遺品整理と遺産整理の担当者(業種)
遺品整理を担当する会社(業種)
- 遺品整理会社・遺品整理士
- ハウスクリーニング会社
- リサイクル業者
- 便利屋さん、なんでも屋さん
遺品整理士をメインとして、これらの業種が連携して主な部分を担当して行います。
遺産整理を担当する会社(業種)
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 税理士
- 銀行
主に士業の方が各業務を執り行います。銀行は直接業務を行うことはないのですが、その仲介をサービスとして提供しているところが多いです。
仲介しておくことで、資産の流出を防ぐことを目的としています。
このように、関わる人間も全く違います。これだけ並べると誰に依頼するのが正しいのかわからなくなってきますが。
だれに依頼するのが正しいの?
遺品整理と遺産整理は別の仕事だと説明してきましたが、一連の作業として行うことも少なくありません。
遺産整理を行って、分配された財産を遺品整理で物理的に整理する、という流れはよくあります。
また逆に、遺品整理で家屋を整理して、出てきた物品を遺産整理で分配する、ということもあります。
ワンストップで全部まとめて行いたい!
これが本音だと思います。依頼される側としてもその方が楽な場合があるので、その考えはこちらも助かります。
ではその際にだれに依頼するべきか?
おすすめとしては、
- 行政書士さんに依頼して、遺品整理も紹介してもらう
- 遺品整理士に依頼して、行政書士さんや弁護士さんも紹介してもらう
この2通りが簡潔に作業が進むと思います。
それぞれ提携している業者さんを持っていることが多いので、連携の取れているところで仕事をしてもらった方がいいという考えです。
連携していないところに依頼すると、間に依頼者ご自身が入らないとならないため、非常に面倒です。
銀行に依頼するのはダメなのか?
資産を預けている銀行に依頼するのは、流れとしては自然かもしれません。
しかし、問題となるのは手数料です。
銀行はあくまで実質的な作業を行わない仲介屋さんなので、仲介料が金額に含まれることになります。
簡単に言えば割高になりがちです。
中には、司法書士さんに依頼して30万円程度の遺産整理が、銀行に依頼すると100万円を超えることもあります。(遺産整理の金額が遺産の総量によって変わります。)
なので、個人的にはあまりおすすめしていません。
手数料を割引してくれる、紹介だけしてくれる、良心的な銀行さんに出会えたときはお願いしましょう。
遺産整理と遺品整理の違いと、どこに依頼すればお得に楽になるかはご理解いただけましたでしょうか。ご不明なことなどございましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にご質問ください。